島根原子力発電所殿における3号機(出力137.3万キロワット)は営業運転へ向けて進められています。
この3号機用補助ボイラ設備として、当社は千代田化工建設株式会社殿と2006年より定格蒸発量25トン/時のNHA型水管ボイラ2基の設計を着手。2009年より京都工場において製作開始、同年10月から発電所にボイラ及び付帯設備の据付、配管工事等を施工。
翌年2010年4月に試運転性能確認後、プラントの試験及び運転に必要な所内蒸気として試験(2011年5月現在)使用いただいております。
ボイラ型式 | よしみね水管式ボイラNHA-25000C型 |
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数量 | 2 基 |
最高使用圧力 常用圧力 |
1.57 MPa 1.28 MPa |
蒸気温度 | 204 ℃(飽和) |
給水温度 | 15 ℃(給水タンク出口) |
使用燃料 燃焼量 燃料の低位発熱量 |
A重油 1,864 kg/h 41,860 kj/kg |
通風方式 | 加圧通風方式 |
最大蒸発量 | 定格 25,000 kg/h |
ボイラ効率 | 定格 85.0 %(高位発熱量基準) |
排出ガス量と温度 | 27,900 m3N/h 167 ℃ |
伝熱面積 合計 | 251.9 m2 |
設計については、DCS制御による遠隔制御ボイラを採用し、高負荷帯および低負荷帯で安定した運転が継続でき、かつ現地制御盤からでも運転切替え操作、及び監視が行えるようにシステムを構成しています。
具体的には、DCSは中央制御室にCRT監視画面、ボイラ室にはタッチパネルを配し、中央制御室からの遠隔運転監視方式を採用、ボイラ室のタッチパネルは、マルチ画面にて機能的に操作・監視が出来るようにしています。
補助ボイラの運用条件として、低負荷帯および高負荷帯では絶対的な安定運転が必要な事から、運転モードとして「高負荷運転」および「低負荷運転」モードを持っています。
また、補助ボイラの起動工程として、ドラム満水待機状態からの起動、バーナー点火、昇圧までの操作を自動シーケンスプログラムとして組み込んでおり、ボイラ起動後は定格負荷運転まで全自動で立上げられるようになっています。
補助ボイラの供給負荷能力は、最大連続蒸気供給量25トンボイラ2基の50トン/時ですが、通常運用時の蒸気の使用量は非常に少ない為に、ボイラ起動、停止の頻度が多くなることが予想される為、低負荷帯ではON-Off運転機能を付加し、また安定した自動運転を継続させる為に、最低負荷を4トン/時以下で設計しています。
また、緊急時に蒸気が必要な場合は、予備機を緊急立上げするために、起動モードとして「急速起動」を設けており、起動所要時間は50分でランプアップ昇圧、負荷運転するように自動化し、停止時は、長期停止保管出来るように自動化した窒素封入設備を付加しています。