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事業・技術:モミ殻焚き発電ボイラについて |
タイ国東北部ロイエットの精米工場に隣接するROI-ET GREEN CO.,LTD.にモミ殻利用の発電ボイラ設備が完成しました。
燃料は、隣接精米工場及び近隣の精米工場より集荷されたモミ殻を使用し、発生する蒸気は蒸気タービンにて10MWの発電を行い、電力庁に8.8MWを売電するSPP(Small Power Producer)事業です。
ボイラ仕様及び運転データ表
ボイラ型式 |
2胴自然循環式 よしみね H-1600型 |
燃焼方式 |
空気散布式トラベリングストーカー |
燃料 |
モミ殻 12.56 MJ/kg (LHV) |
蒸発量 |
55 t/h |
蒸気圧力 |
4.0 MPaG |
蒸気温度 |
405 ±10 ゜C |
発電量 |
10 MW |
項 目 |
単位 |
計画値 |
運転値 |
ボイラ総合効率 |
% |
84.5 |
88.9 |
Ignition Loss of Ash |
% |
5> |
3.17 |
NOx as NO2 |
ppm |
360> |
153.6 |
SOx as SO2 |
ppm |
640> |
25.6 |
ばいじん量 |
g/Nm³ |
0.12> |
0.033 |
設備の運転指令は中央制御室に設置したDCSにて行う方式を採用し、燃料の供給は、夜間は省力化の為に600m の貯蔵サイロを使用し、昼間帯は屋内外の貯蔵エリアよりローダーによる供給するシステムとなっています。
発電設備を含めた運転要員は5名(燃料供給他の要員を含め)で、固形燃料焚きボイラとしては省力化を図った新鋭設備となっております。
モミ殻燃料の特徴
モミ殻燃料は非常に軽く、燃焼室内で大半が浮遊燃焼するため、他の木質系燃料に比べて未燃分の発生が多くなります。そこで、未燃灰を炉内へ再投入して再燃焼させる事により、Ignition Loss 5%の保障値を十分満足した結果が得られました。
モミ殻の代表的性状は次の通りであり、燃料としては価値が高い。
水分 |
9〜12% |
灰分 |
13〜18% |
揮発分 |
60〜65% |
固定炭素 |
13〜19% |
低位発熱量 |
12.56〜13.40 MJ/kg |